
副都心線の雑司ヶ谷駅から徒歩15分程の緑豊かな場所に永青文庫はありました。5月21日(土)〜7月18日(月)まで「仙崖ワールド-また来て笑って!仙崖さんのZen Zen禅画-」を開催中です。
こちらも、ぐるっとパスで入場できます。

江戸時代後期の禅僧・仙崖義梵(せんがいぎぼん 1750〜1837)は、ユーモアに富んだ書画を残し、禅の教えを広く伝えたことで知られています。
美濃国(現・岐阜県)生まれ。11歳の頃に得度し、義梵と名付けられました。武蔵国永田(現・横浜市)の東輝音で修行を積んだのち、諸国を行脚。40歳のときに聖福寺(福岡市)の住職となりました。
62歳で住職を引退してから本格的に書画をはじめ、88歳で亡くなるまで多くの作品を制作しました。

仙崖義梵 「朧月夜図」 江戸時代後期
切れた縄をヘビと勘違いして大騒ぎしている子供の図。賛には「切れ縄に口ハなけれど朧月」とあります。「暗いところでは、縄をヘビと勘違いすることがある。先入観にとらわれずに、真実をとらえる必要がある」という教えを説いているそうです。可愛らしい作品ですが、解説を読むと深い意味があると分かり、そこがまた魅力的です。
出光美術館で9月3日(土)〜10月16日(日)に「仙崖のすべて」が開催されるので、そちらも今から楽しみです。


永青文庫の前にある丸い門をくぐると、肥後細川庭園に繋がっています。
池泉回遊式庭園で、建物は松聲閣と呼ばれ、細川家の学問所として使用されていたようです。今回は寄りませんでしたが、一階の和室では、500円でお抹茶とお菓子をいただけます。松聲閣の二階のお部屋から眺める庭園も素敵でした。松聲閣は無料で入れるので、永青文庫へ行った際は、寄ってみてはいかがでしょうか。

初代 宮川香山 「大黒天二茶碗ノ画」
1914年頃
現在、眞葛ミュージアムで展示中の初代 宮川香山が描いた作品もユーモアが溢れています。
「大黒天二茶碗ノ画」は、米俵に腰かけた大黒天が茶碗に描かれており、その茶碗から小槌が飛び出しています。鼠も追いかけ、今にも茶碗の外に飛び出しそうです。大黒天のお顔を見ていると穏やかな気持ちになります。
ぜひ、眞葛ミュージアムでご覧ください。
スタッフO